自宅にある古い低スペックのWindows 7ノートパソコンを何とか再利用(有効活用)できないかと検討し、まずはWindows 10にアップグレードしてみたものの、動作が重い。。。
そこで、最近気になっていたオープンソースのChromiumOSをベースとした「CloudReady」を導入してみました。
ここでは「CloudReady」の導入手順を紹介したいと思います。
当初は、海外の有志が作成/配布しているChromiumOSのビルド済みイメージファイルを利用予定でしたが、利用予定のノートパソコンのハードウェアがほとんど認識されなかったため、CloudReadyを利用することにしました。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
CloudReady | 70.4.39 |
CloudReadyとは
CloudReadyは、neverware社が製品化したChromeOSと同じChromiumOSがベースの軽量OSで、個人の場合は無料で利用でき、インターフェースも標準で日本語化できます。
ChromeOSは、Googleが開発したOSでCloudReadyと同様にChromiumOSがベースです。最近では、MicrosoftのWindows、AppleのmacOSに続く第3のOSとして注目されています。
CloudReadyは、ベースとなるOSがChromeOSと同じなので、多くの機能がChromeOSと似通っています。ただし、すべての機能が同じというわけではなく、ChromeOSに搭載されている機能のいくつかは、CloudReadyには搭載されていません。たとえば、次のような機能です。
- Powerwash(初期化機能)
- Google Play Storeの利用
- Webページの自動翻訳
- Geolocation機能
CloudReadyの主な利用シーンは、オンライン(インターネットにつながっている)環境での「Webの閲覧」や「Webアプリケーションの利用」です。
これは、一見不便なように聞こえますが、最近ではインターネット接続とWebブラウザさえあれば事足りることも多く、ブラウザさえあればOKという方にはうってつけのOSというわけです。
システム要件
neverware社のページでは、CloudReadyのシステム要件は次のように紹介されています。
Technical Details | Neverware Install Guide
- プロセッサ:2007年より前の製品に搭載されているCPUでは、良好なパフォーマンスは期待できません。
- メモリ:2GB以上
- ストレージ容量:16GB以上
- BIOS:USBメモリから起動できること
- グラフィック:2007年より前の製品では、良好なパフォーマンスは期待できません。また、次のグラフィックスは、CloudReadyのパフォーマンス基準を満たしていません。Intel GMA 500、600、3600、3650
用意したもの
- CloudReadyを動かすノートパソコン
(製品:Acer Aspire one 753 CPU:Celeron Dual-Core U3400/1.06GHz/2コア メモリ容量:4GB ディスク:64GB SSD) - OSイメージを書き込むUSBメモリ(16GB)
- 作業用マシン(ここでは、Windows 10マシンを利用)
- 作業用マシンでUSBメモリにOSイメージを書き込むためのツール「balenaEtcher」
balenaEtcherの入手
「balenaEtcher」は、OSなどのブータブルイメージを簡単なステップでSDカードやUSBメモリに書き込んでくれるオープンソースツールで、以下のサイトからダウンロードできます。
CloudReadyの入手
CloudReadyのインストールイメージは、次の手順で入手します。
まずは、作業用マシンでCloudReadyの公式ページにアクセスして「GET STARTED」ボタンをクリックします
公式:Neverware
利用目的を選択する画面に移動するので「For personal, home use」の下に表示されている「GET THE FREE VERSION」ボタンをクリックします。
「Thanks for choosing CloudReady: Home Edition」ページが表示されるので、下にスクロールしていき、Step2の下段辺りにある、インストールイメージのダウンロードボタンをクリックしてインストールイメージを入手します。
今回は「DOWNLOAD 64-BIT」ボタンをクリックして、64ビット版を入手します。
CloudReadyを動かすパソコンに搭載されているCPUが64bitに対応しているかは、ネットで検索すれば容易に確認できるでしょう。
ファイルはZIP形式ファイルで、ファイルサイズは約1GBほどです。
CloudReadyの起動用USBメモリを作成
作業用マシンで、ダウンロードしたファイル「cloudready-free-70.4.39-64-bit.zip」を解凍し、フォルダーの中にある「cloudready-free-70.4.39-64-bit.bin」をUSBメモリに書き込みます。
イメージファイルから起動用USBメモリを作成する方法については、以下の記事をご覧ください。

USBメモリからCloudReadyを起動して動作確認
CloudReadyをインストールするパソコンに作成した起動用USBメモリを挿して、USBメモリからパソコンを起動させて、CloudReadyがパソコンのハードウェアを正常に認識して動作に問題がないかを確認します。
USBメモリからパソコンを起動する手順は、パソコンの機種により異なりますが、私のノートパソコンの場合は次のような手順でした。
まず、起動用USBメモリを挿してからパソコンの電源を入れ、画面にメーカーロゴが表示されている間に「F12」キーを押します。
すると、以下のような起動デバイスを選択できる画面が表示されるので、ここでUSBメモリを指定します。
CloudReadyが無事に起動すると、次のような初期設定画面が表示されるので、言語・キーボード・ネットワーク・Googleアカウントなどの初期設定を行います。
初期設定中に「Anonymous Data Collection」画面が表示されます。ここでは、CloudReadyの品質向上のために匿名でのデータ提供に協力するかどうかを設定できます。
匿名でのデータ提供に協力するなら、そのまま「Continue」をクリックし、データ提供したくないなら、左下の「Send metrics to help improve CloudReady」のチェックを外してから「Continue」をクリックします。
初期設定が完了すると、次のようなデスクトップ画面が表示されるので、動作確認を行います。
動作確認では、以下のように内蔵デバイスが認識されているかを確認しておくことをお勧めします。
- 有線LAN、無線LANが利用できるか
- マウス、タッチパッドが正常に動作しているか
- キーボードが正常に動作しており、日本語入力できるか
- サウンドが鳴っているか
- 内蔵カメラが利用できるか(「カメラ」アプリをインストールして起動することで確認できます)
- 画面の明るさ調節、音量調節ができるか など
細かな問題はちょっと触っただけではなかなか発見できないので、心配な場合は、1週間ほどUSBメモリからの起動で使ってみて、問題がないようであれば、以降の手順でCloudReadyをパソコンにインストールすれば安心です。
CloudReadyをインストールする
まずは、USBメモリからCloudReadyを起動させ、画面右下のタスクトレイ部分をクリックし、表示された画面で「Install OS」をクリックします。
「CloudReady Installer」画面が表示されるので、右下の「INSTALL CLOUDREADY...」ボタンをクリックします。
次の画面で、右下の「ERASE HARD DRIVE & INSTALL CLOUDREADY」をクリックするとインストールが開始されます。所要時間は20分ほどです。
英語で繰り返し記載されていますが、CloudReadyをパソコンにインストールすると、パソコンに保存されている既存のデータはすべて削除されます。
インストールが完了すると、パソコンが自動的にシャットダウンされるので、起動用USBメモリを取り外してパソコンを起動します。CloudReadyが無事起動できたらインストールは完了です。
なお、USBメモリからの起動したときに行ったCloudReadyの初期設定は、再度実施する必要があります。
CloudReadyの使用感については、以下の記事で紹介しています。

あとがき
CloudReadyは、製品化されてるだけあって、ハードウェアの認識率は高い印象です。
一昔前のノートパソコンやネットブックなどの有効活用方法の一つとして、検討の余地はありそうです。