Windows 10では、定期的なバージョンアップ(機能更新)ごとで、新機能が追加されたり改良や変更が加えられてきました。
そこでここでは、直近の4つのバージョンそれぞれでの新機能や変更/改良点を紹介します。
なお、ここでは個人利用のWindows 10で注目したい項目に絞って紹介しています。
目次
バージョン22H2(Windows 10 2022 Update)
「バージョン22H2(Windows 10 2022 Update)」でえは、おもにパフォーマンスの改善や品質向上、エンタープライズ向けのセキュリティ強化がメインの更新となっており、個人利用において注目すべき新機能や変更/改良は特段ないようです。
バージョン21H2(November 2021 Update)
「バージョン21H2(November 2021 Update)」では、おもにパフォーマンスの改善や品質向上がメインの更新となっていますが、次の機能が追加されています。
- Wi-Fiの新しいセキュリティ規格「WPA3 H2E」のサポート
- 法人向け機能「Windows Hello for Business」で、クラウドトラストという新たな展開方法をサポート
- 「Windows Subsystem for Linux(WSL)」と「Azure IoT Edge for Linux on Windows(EFLOW)」でGPU演算をサポート
- スタートメニューやタスクバー、システムアイコンのデザイン変更
デザイン変更
バージョン21H2では、スタートメニューやタスクバー、システムアイコンのデザインがFluent Designに基づいて設計された新しいアイコン群に変更されています。
更新間隔の変更
なお、Windows 10は、これまで機能更新プログラムが年に2回リリースされてきましたが、今後はWindows 11のリリースサイクルに合わせて「年に1回」へ変更され、Windows 10/11ともに、次回の機能アップデートは2022年後半にリリースされるようです。
バージョン21H1(May 2021 Update)
「バージョン21H1(May 2021 Update)」では、おもにパフォーマンスの改善や品質向上がメインになっていますが、いくつかの変更点もあります。
Windows Helloがマルチカメラをサポート
これまでバージョンでは、Windows Helloはユーザー認証に内蔵カメラしか利用できませんでしたが、バージョン21H1で、デバイスに内蔵と外付けの両方のWindows Hello対応カメラが接続されている場合、デフォルトで外付けカメラが利用されるようになりました。
WDAGのパフォーマンス改善
「Windows Defender Application Guard(WDAG)」は、信頼できないWebサイトをサンドボックス(隔離された実験環境)で試すことで、システムの破損や情報漏えいを防ぐセキュリティ機能で、Windows 10Pro以上のエディションで利用できます。
バージョン21H1では、WDAGでOffice文書を開くときに遅延が起こる問題など、パフォーマンスの問題についての改善か施されており、より快適にWDAGを利用できるようになりました。
企業ユーザー向け機能での改善点としては、ActiveDirectory環境で、Windows Management Instrumentation (WMI) グループポリシーのユーザーやコンピューターグループメンバーシップを変更したときに、その変更内容の伝播が遅くなる問題が改善されています。
削除された機能
古いMicrosoft Edge
バージョン21H1から、Windows 10のデフォルトWebブラウザは、「Chromium」ベースの新しい「Microsoft Edge」に置き換えられ、Windows 10登場当初から搭載されていた「EdgeHTML」ベースの古い「Microsoft Edge」は含まれなくなりました。
Adobe Flash Player
Webブラウザでマルチメディアコンテンツの形式として長らく利用されていた「Adobe Flash Player」は、これまでWindows 10にデフォルトでインストールされていましたが、バージョン21H1からは含まれなくなりました。
ソフトウェア開発者向けでの変更点としては、Windows 2000 Display Driver Model(XDDM)ベースのリモートディスプレイドライバーのサポートが削除されました。これにより、同ドライバーを利用しているソフトウェアは、WDDMドライバーモデルへの移行が必要になります。
非推奨になった機能
Internet Explorer 11
「Internet Explorer 11」のサポートは、2022年6月15日に終了し、それ以降Windows 10では、コンポーネントとしては残りますが、単体のデスクトップアプリとしては利用できなくなります。
なお、企業ユーザー向けの「Windows 10 LTSC」や「Windows Server」では、引き続き利用できるようです。
設定の同期
Windows 10の個人用設定(壁紙やアクセントカラーなど)などをデバイス間で同期する「設定の同期」機能は、開発が終了しており、将来のバージョンで削除される可能性があるようです。
WMICコマンド
WMI(Windows Management Instrumentation)は、Windows環境でシステムに関するさまざまな情報(ハードウェア、ソフトウェア、プロセス、サービス、ユーザー、グループ)を、取得・管理する機能で、WMIを操作するためのコマンドとして、Windows XP時代から「WMIC」コマンドが搭載されていましたが、バージョン21H1でWMICコマンドは非推奨のツールとなるようです。
なお、WMIを操作するツールとしてはPowerShellの利用が推奨されています。
バージョン20H2(October 2020 Update)
「バージョン20H2(October 2020 Update)」では、新機能はあまり追加されず、おもにパフォーマンスの改善と品質向上に重きが置かれたマイナーアップデートとなっています。
新Microsoft Edgeがプリインストール
バージョン20H2から、Windows 10をインストールすると、Chromiumベースの新しい「Microsoft Edge」がプリインストールされるようになります。
スタートメニューがスタイリッシュに
従来のスタートメニューでは、アプリアイコンやタイルの背景にOSのアクセントカラーやアプリのテーマ色が用いられていましたが、バージョン20H2からは、アプリアイコンの背景が透明になり、タイルの背景は、スタートメニューの背景に親和性の高い色に統一されるようになります。
これにより、Fluentデザインへの更新が進んでいるMicrosoft製アプリのアイコンともマッチして、スタイリッシュで洗練されたデザインへと進化しています。

バージョン20H2のスタート画面
Alt+TabでEdgeのタブを選択可能に
バージョン20H2では、Alt+Tabでタスクスイッチ機能を使用するときに、新Microsoft Edgeの開いているタブを別々に表示できるようになります。
なお、この機能は「Windowsの設定」アプリの「システム」>「マルチタスク」で、タブを別々に表示するかどうかを設定できます。
その他
主だった変更点は上の3点ですが、それ以外にも次のような変更点があります。
- 「Windowsの設定」アプリの「システム」>「詳細情報」のページに、コントロールパネルから利用するようになっていたユーティリティーへのリンクがいくつか表示されるようになります。
- 「Windowsの設定」アプリの「システム」>「ディスプレイ」>「ディスプレイの詳細設定」ページで、リフレッシュレートを変更できるようになります。
- 2-in-1PCの使い勝手が改善されます。 など