WordPressで本体やテーマが管理画面から更新できない時の対処方法

WordPressで本体やテーマが管理画面から更新できない時の対処方法

WordPressでは、本体やテーマに更新(アップデート)が提供されたときは、WordPressの管理画面(ダッシュボード)から更新するというのが一般的な手順ですが、まれに管理画面に更新通知が表示されなくなって、管理画面から更新できなくなってしまうことがあります。

そこでここでは、そのような場合にWordPress本体やテーマを手動で更新する方法を紹介します。

更新前のバックアップ

WordPress本体やテーマを更新するときは、なんらかの問題があった時にすぐに復元できるように、現在のWordPress環境をバックアップしておくと安心です。

WordPress環境をバックアップする方法としては、プラグインを利用してバックアップするのがおすすめです。

WordPressをプラグイン「UpdraftPlus」でバックアップ・移行する方法
ここでは、WordPressプラグイン「UpdraftPlus」を使って、WordPress環境をバックアップ/復元したり、移行する方法を紹介します。

WordPress本体を手動で更新する

ここでは、Linux上で稼働しているWordPressを例に、WordPress本体を手動で更新する手順を紹介します。

プラグインを停止させる

まず、WordPressの管理画面のメニューから「プラグイン」>「インストール済み」を開き、プラグインをすべて無効化して停止させておきます。

最新バージョンのWordPress本体をダウンロードする

つぎに、SSHなどでWordPressが稼働しているサーバーに接続して、以下のコマンドを順に実行し、最新バージョンのWordPress本体をダウンロードし解凍しておきます。

# cd /tmp
# wget https://ja.wordpress.org/latest-ja.tar.gz
# tar xzfv latest-ja.tar.gz

あらかじめ作業用のPCで最新バージョンのWordPress本体をダウンロード&解凍しておき、WordPressサーバーに転送してもOKです。

古いデータを削除する

つぎに、現在WordPressがインストールされているフォルダーから、以下の3つを除くファイルを削除します。

  • wp-config.php
  • .htaccess(ファイルがある場合)
  • wp-contentフォルダー

つぎに「wp-content/languages」フォルダーを削除します。

新しいデータを配置する

つぎに、解凍した最新バージョンのWordPress本体のファイルから、以下を現在WordPressがインストールされているフォルダーに配置します。

  • wp-admin(フォルダーごと)
  • wp-includes(フォルダーごと)
  • その他のファイルすべて

つぎに、解凍した最新バージョンのWordPress本体のファイルから「wp-content/languages」フォルダーをWordPressがインストールされているフォルダーの「wp-content」フォルダーの中に配置します。

所有者を再設定

WordPressがインストールされているフォルダー配下のすべてのオブジェクト所有者を、Webサーバーの実行ユーザーに設定します。

以下のコマンドでは、所有者を「nginx」というユーザーに設定しています。

# chown -R nginx:nginx wordpress

データベースを更新

ファイルやフォルダーの配置が完了したら、WordPressの管理画面(ダッシュボード)にアクセスします。

更新するバージョンによっては、以下のように「データベースの更新が必要です」と表示されることがあり、その場合は「WordPressデータベースを更新」をクリックします。

 WordPressで本体やテーマが管理画面から更新できない時の対処方法

最後に、停止していたプラグインを有効化し、サイトの正常な表示を確認したら更新完了です。

テーマを手動で更新する

テーマを手動で更新する手順は、つぎのとおりです。

Memo

ここではWordPress環境へSSH接続するためのツールとして「WinSCP」を利用し、WordPressテーマ「Simplicity2」を更新しています。

まず、自分が利用しているテーマの最新版を提供元からダウンロードし解凍しておきます。

現在のテーマをバックアップ

つぎに、作業用のパソコンなどからWordPress環境にSSH(SFTP)などで接続し、ディレクトリ「wp-content/themes/」を開き、現在利用しているテーマのディレクトリを作業用のパソコンにバックアップします。

WordPressで本体やテーマが管理画面から更新できない時の対処方法

最新版のテーマをアップロード

つぎに、解凍しておいた最新版のテーマを、フォルダーごとディレクトリ「wp-content/themes/」内に「すべて上書き」でアップロードします。

WordPressで本体やテーマが管理画面から更新できない時の対処方法

所有者を再設定

アップロードが完了したら、アップロードしたフォルダーのプロパティ画面を開き、所有者やグループをWebサーバーの実行ユーザーに再度統一しておきます。

なお、Webサーバーの実行ユーザー名は、環境により異なります。

WordPressで本体やテーマが管理画面から更新できない時の対処方法

最後に、WordPressの管理画面で、テーマの詳細画面でバージョンが更新されたことを確認します。

WordPressで本体やテーマが管理画面から更新できない時の対処方法

以上で更新完了です。

あとがき

通常であれば、管理画面から更新するのが一般的ですが、何らかの原因で管理画面から更新できなくなった場合は、ここで紹介しているように手動での更新が必要になる場合もあります。

そのようなときの参考になれば幸いです。