Windows OSには古くから、コピー・貼り付け・切り取りなどの操作で、データを一時的に格納できるクリップボード機能が搭載されていましたが、クリップボードに保持できるデータは一つだけのため、以前のWindowsでは、クリップボードの履歴を保持して使いまわしたいときなどは、クリップボード機能を拡張するサードパーティーのツールが必要でした。
ところが、Windows 10バージョン1809でついに「クリップボードの履歴と同期」機能が実装され、標準機能でクリップボードの履歴を保持できるようになりました。
そこでここでは、Windows 10での「クリップボードの履歴と同期」機能の使い方や設定方法を紹介します。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 1903 |
クリップボード履歴を有効化する
「クリップボードの履歴」を有効化するには、Windowsの「設定」から「システム」>「クリップボード」を順に開き「クリップボードの履歴」を「オン」に設定します。
「クリップボードの履歴」を有効化したら、「Windows」キー+「V」キー押すことで、過去にコピーや切り取りをしたテキストや画像が新しい順に一覧表示でき、履歴から利用したいデータを選択できるようになります。
なお、クリップボードの履歴に保存できるデータは、テキストデータと画像データのみで、履歴に保存できるデータの総容量や個数にも制限があります。
履歴に保存されているデータは、右上の「…」をクリックすると表示されるメニューから、ピン留めして自動的にクリアされないようにしたり、個別に削除することができます。
また、保存されている履歴をすべて削除したいときは、「クリップボード」の設定画面で「クリップボードのデータをクリア」から「クリア」ボタンをクリックします。
クリップボード履歴を共有する
「クリップボード」の設定画面で「他デバイスとの同期」をオンにすると、同じMicrosoftアカウントでサインインしている他のWindows 10マシンとクリップボード履歴を共有できるようになります。(ただし、同期できるのはテキストデータのみで、容量にも制限があるようです。)
また、同期方法を選択でき、コピーしたテキストを自動的に同期する(自動同期)か、クリップボードの履歴ウィンドウを開いて、選択したデータのみを同期する(手動同期)かを選択できます。
なお、設定画面に表示されているリンクのとおり、Samsung製スマートフォンなど、一部のAndroid端末では、「スマートフォン連携」アプリを使ってWindows 10とAndroid端末を連携させることで、クリップボードを共有できるようです。
あとがき
クリップボード履歴に格納できるデータはテキストデータと画像データのみで、保存できる容量にも制限があるため、少し物足りなさを感じますが、有効化しておけば多少なりとも利便性をアップできるのではないでしょうか。